反面教師あり学習

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(旧)反面教師あり学習

Negative Supervised Learning

「高専カンファレンス新春 in 大阪」でLTをするときに立てた戦略

概要

1/12に高専カンファレンス新春 in 大阪 (http://kosenconf.jp/?123shinshun) に参加しました. 新幹線で遠出する元気は無いですが近鉄線乗り継いでいける距離だったのでがんばって会場までいきました.

LTでは,最近勉強しているベイズ推論についてしゃべりました.

この内容は参加者に高専の本科生が多い高専カンファレンスでは明らかに重いです. でもぼくが高専本科生のときに聞きたかった話なのでしゃべりました.

でもただ難しいことをしゃべって聴衆がついていけない自己満足トークにはしたくなかったので 印象に残るための戦略を色々考えていました.この記事では,その戦略について書きました.

このトークの目的

発表には目的が必要です.「この技術を布教したい!」とか「笑いをとりたい!」とかそんなのです. ぼくの今回の目的は「自分が高専時代に知りたかった確率統計の面白い部分についての話題提供を現役生に対してしたい」でした.

発表の環境

発表の前に本番の環境を確認しないといけないです. プロジェクタのコネクタの種類は?自分のPCは使えるか?発表時間は?聴衆は誰か?とかそんなのです.

今回特に気にしていたのは以下の点です.

  • 聴衆:大半が高専本科生の可能性が高い(もちろん,高専出身以外の人もいます)
  • 発表時間:5分(10分の一般発表枠とればよかった…)

聴衆の問題は,数学の知識を前提にできないことにつながります. 発表時間の問題は,コンテンツの量に限界があることにつながります. 仮に普通の授業と同じ90分の枠が与えられていたとしても,バックグラウンドがバラバラな聴衆全員にベイズ推論を理解させるのは難しいと思います.

発表のゴール

聴衆も発表時間の条件もキツい中でこの発表を有益にするにはどうすればいいか?と考えたとき, 「過去に自分が有益だと思った情報へ誘導できればいい」という結論に至りました. 持ち時間の5分間だけがプレゼンテーションではない,と思いました.

資料の最後のスライドにある「続きはWebで」の意図はこれです.SpeakerDeckに投げた資料のAppendixに書籍やフレームワークについてまとめていました. この記事も「続きはWebで」のコンテンツのうちかもしれないです.

資料作り

入れたいコンテンツをとりあえず全部突っ込んでから時間に収まるように調整しました. 普通5分のトークをするときはスライドは8枚程度になるんですが,最終的に16枚になってしまいました. 図を多くして1スライドの内容を少なくすればどうにかなるだろうと考えました.

高専本科生も卒業生でもベイズの定理ぐらいは覚えているはずと信じて,数式はベイズの定理とそれを書くのに必要なものだけに留めました. ただし,聴衆がそれらを詳細に読む時間は無いはずなので,数式の記述には図に対するラベルとしての役割ぐらいしか持たせてなかったです.

あと,ほぼ全てのスライドについて原稿を書いてました. 5分で必要な内容を話しきるには事前にしゃべる内容を決めておいて,声に出して練習しながら時間調整をしないといけないです. 今回は,練習まではやってなかったので記憶がちょっと怪しかったですが….

当日

直前にもスライドの調整はしていました.思ってたより人が多かったのでアンケートのスライドを追加しました. アンケートとるときに悲鳴がたくさん聞こえてきました.お一人だけ?ベイズ推論やったことある方がいらっしゃったと思います.

あと,発表の時には聴衆の方をみるように心がけました.発表の主役は発表者なので堂々としてないといけないです.まだ慣れてなくてあまりうまくできなかったですが….

発表の結果としては,「ベイズ推論難しくてわからんけどすごそうだし面白そう」という印象は与えられたと思うので今回の目的は概ね達成されました. あとは聴衆だった方々に,必要が出てきたときにこの発表を思い出して関連書籍を手に取ってもらえればと思います.

さいごに

ぼくが「高専カンファレンス新春 in 大阪」でLTをする準備段階で考えてたことについてまとめました. 今後,「自分も他の高専カンファレンスで発表してみたい!」と考えている方々の参考になればと思います.